「時が忘却にくれる」
こんな言葉が頭に浮かんだ。

ガンダムの生みの親として有名な富野由悠季の作品の中で、屈指の”不人気さ”を誇る『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の序文はこんな書き出しで始まる。

アニメ監督として有名な富野氏は実は小説家としても優れた才能を持つ。
時に思念や逸脱した暗部が顔を出し、そこが人を遠ざけてしまうことがあるけれど。

「時が忘却にくれる」

このゲームはそんなゲームだ。

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当時中学生のワタシはこの言葉にしばらく翻弄されていた。
時が忘却にくれるとは?

ヒントが隠されている序文の一節はこうだ。

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時が忘却をくれるとは、誰が書いた言葉だろうか?
それを言い出した人は、楽天家であったか、真実、絶望の恐ろしさを知っていた人たちだろう。
そのどちらであろうとも、言葉というものは、多重性と曖昧さをもって、信実を伝えることはない、といえる。
(原文のまま抜粋)
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まったく解釈が進まない。

そこでワタシはあきらめた。
思考は時に無駄な時もあると。

身をもって全てをなす、結局はそれがすべてだ。


果たしてワタシは誰なのか?

このゲームに登場するパドル(=棒)は自問する。

なぜワタシは存在する?

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思い出せない。

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ただ、パドルとしてそこに存在するのみだ。

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「明けない夜はない」よろしく、そんな世界も明るさを取り戻す。

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そして唐突に落下物はやってくる。

パドルにはそれを跳ね返すことしかできない。

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徐々に勢いと激しさをます落下物たち。

なぜ跳ね返しているかなど考える余地もないほどの勢い。

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もう思考は追いつかない。

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しかし、パドルは思考する

「これ(現実)はいつまで続くのか?」

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そして終わりがくる。

それでも思い出せない。

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でも思い出す必要がある。

そこに希望はあるのか?

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あるはず。

そしてアイツが現れる。

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選択はいつも唐突にやってくる。

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戦うか、逃げるか、それしかない。

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戦う、それがすべてだ。

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それは時に困難な選択かもしれない。

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それでもただ、戦うしかない。

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そこに希望があるかもしれないから。

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希望は徐々に大きくなっていく。

そして終わりはやってくる。

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でもまだ終わらない。

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シンジくんよろしくパドルは思う。

「逃げちゃダメだ!」

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そう、ワタシはここにいる。


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それが答えだ。

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世界が暗闇でも助けるものがそこにある。

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終わりは近い。

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そう思ったが・・・

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そこに終わりがあるのか?

それはどこかで誰かが確かめるだろう。


果たして、時が忘却にくれる謎は解けたのか。

肝心なところはそこだ。
最後に序文を締めくくる一節を引用しよう。

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フラストレーションが頂点にたっすれば、対立相手を創造し、攻撃性を爆発させるテロリズムが発生するのは当然であるという倫理がある。
それは不条理だと断言できるのだが、そんな言葉が、人類という種のフラストレーションを解消させることなどはない。
言葉は、おおむね宇宙(そら)に拡散するのだから……。
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言葉は、おおむね宇宙(そら)に拡散する。

謎は解けただろうか。